昨今、IoT等の新技術の普及に伴い、
個々の機器がネットワークでつながるようになったことから、
グラフィカルユーザーインターフェース
(利用者と機器が情報をやり取りする仕組み、GUI)が重要な役割を担っています。
また、インターネットサービスの多様化やスマートフォンの飛躍的普及を受けて、
インターネット上のサイバーモール(仮想商店街)やナビゲーションサービスが発展しており、
こうしたサービスのためのアプリケーションやソフトウェアは、
クラウド上に記録され、ネットワークを通じて消費者や利用者に提供されています。
さらに、センサー技術や投影技術の発展により、
物品に表示されず、壁や人体等に投影される画像が出現し、
利用者は場所に関わりなくGUIを出現させ、
機器を操作することが可能となっています。
このようなクラウド上の画像や投影画像については、
多額の投資を行って開発されるものが多く、
イノベーションを促進し企業の競争力を強化する観点からは、
開発した画像のデザインについて独占権を認め、
研究開発投資の回収を容易に行えるようにすることが有効です。
令和元年の意匠法改正では、
画像のデザインを意匠権で保護することができるよう、意匠の定義が見直されました。
昨今、企業が店舗の外観や内装に特徴的な工夫を凝らしてブランド価値を創出し、
サービスの提供や製品の販売を行う事例が増えています。
また、近年、オフィス家具・関連機器を扱う企業が、
自社の製品を用いつつ、特徴的なオフィスデザインを設計し、顧客に提供する事例も生じています。
こうしたデザインについては、多額の投資を行った上で設計されることも多く、
これが容易に模倣されるようであれば、企業競争力の源泉たるデザイン投資の収縮を招くこととなります。
令和元年の意匠法改正では、
建築物の外観デザインを意匠権で保護することができるよう、意匠の定義が見直されました。
また、机やいす等の複数の物品等の組合せや配置、壁や床等の装飾により構成される内装デザインが、
全体として統一的な美感を起こさせるようなときは、
一つの意匠として意匠権で保護することができるよう、新たな規定を創設しました。